2020年5月17日(日)付

規制緩和で活動徐々に 緊急事態宣言解除 大北各地 施設など再開

 新型コロナウイルス感染症に伴う緊急事態宣言の解除を受け、大北各地の図書館や公民館など多くの公共施設では16日から利用が再開された。一般的な飲食店においては営業時間短縮などの要請も解除された。引き続き、東京など特定警戒都道府県への移動・往来の自粛要請など感染拡大防止への配慮はあるものの、自粛規制の緩和により徐々にではあるが住民活動、経済活動が再開されつつある。
 市立大町図書館は16日、4月4日以来約1カ月半ぶりに通常開館した。開館時間の午前9時半から30分で50人以上が来館した。入館時のアルコール消毒や1時間ごとの換気、50人定員の学習室の利用を25人に制限するなど、万全の感染拡大防止対策を講じた。
ニホンライチョウ飼料集め 大町山博 ボランティアとナラの葉採取

 大町市の市立大町山岳博物館は16日、同館で飼育繁殖中の国特別天然記念物・ニホンライチョウの飼料となるナラの葉の採集を同市平高瀬入の私有地で行った。職員や同館友の会会員、市民などのボランティア約30人が参加し、ライチョウが元気に育つよう願いながら葉を集めた。
 同日はコナラやミズナラの柔らかい新芽約20`を採集。虫や傷んだ葉が入らないように注意を払いながら小枝から葉を外して集めた。採集した葉は、乾燥、粉末にしてさまざまな飼料と混ぜ合わせてライチョウに与える。
連休用の大量在庫セール 道の駅白馬 感染対策強化し営業再開

 新型コロナウイルス感染拡大防止のため臨時休業していた、白馬村の道の駅白馬が16日、近隣利用者に対し営業を再開した。大型連休に多くの観光客を見込み信州産商品を大量に製造していたが、緊急事態措置で大量の在庫を抱える事態に。このため、村内生産者や県内パートナーらの協力を得て、31日まで急きょ「アウトレットセール」を企画した。
 同施設では従業員のマスク着用・手洗い徹底やレジにシートを設置するなどの感染対策を強化。レストランはテーブル数を削減し「3密」を避けるようリニューアル。村の公式キャラクター「村男」の焼き印を床に配置し「村男を探して」と、遊び心あふれるつくりにした。
感染防止と経済再生両立へ 大町 イベント開催の対策確認

 大町市は15日、新型コロナウイルス感染症の庁内対策会議を市役所で開いた。長野県を含めた緊急事態宣言の解除を受け、延期・中止としてきた市主催のイベント・行事を、感染防止対策を徹底した上で開催可能にすることなどを確認した。
 参加者が50人を超えるような大規模なものや、屋内で行うなど感染リスクが高いものは実施しない。県外から多数の参加が見込まれるイベント等は中止・延期を検討するとした。
給付金相談「電話かメールで」 大町市 CATVのCMで周知

 大町市ケーブルテレビ(CATV)は、国が1人当たり10万円を支給する「特別定額給付金」の申請について、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、窓口への来訪を控える呼び掛けをコマーシャルで放送している。「問い合わせは電話・メール・ファクスで」「窓口での申請や現金での給付は行っていない」など、周知を図る。
 市は申請書の発送を11日から開始。市総合情報センター内に窓口を設置し、「密」を避けるため電話などでの問い合わせを求めているものの、相談や、窓口で給付金を受け取れると思い込んだ住民などが開設以降150人以上が訪れ、時間帯によっては混雑する状況もあるという。
「菜の花畑」シカ被害に 大町の中山高原 菜種収穫ゼロ

 野生動物による農作物の被害が地域で問題視される中、大町市美麻中山高原の菜の花畑が今年、シカの被害に見舞われた。冬の小雪により本来雪で覆われている部分が露出し、エサを求めるシカによって菜の花のかぶや新芽が食べられたとみられる。特産品の「菜の花オイル」は昨年までの収穫分で生産は可能という。例年この時期には一面に広がる黄色のじゅうたんが、土色一色となっている。
 菜の花畑は観光客が訪れるスポットであるとともに、菜種は「菜の花オイル」として利用され人気だが、「今年の収穫はゼロ」。わずかに残った分は収穫せずにそのまま肥料にするという。
トップページ 5月の一覧 ●当サイトに掲載の記事・画像の無断転載を禁じます。すべての著作権は大糸タイムス社に帰属します。
Copyright(C) 2007-2019 OHITO TIMES Co., Ltd. All Rights Reserved.