2025年10月14日(火)付

名著読み解く貴重な資料寄贈 三女・清子さんが大町山博に 登山家・浦松佐美太郎の遺品

 登山家で社会・文芸評論家の浦松佐美太郎(1901〜81年)の遺品が12日、家族から大町市の市立大町山岳博物館に寄贈された。浦松が書いた山岳文学の名著『たった一人の山』(文芸春秋社、1941年)にも登場するピッケルなど、作品を読み解く貴重な資料として同館で展示する方針だ。
 同館によると、浦松は東京都出身。大正末期から昭和初期にかけてヨーロッパアルプスで活躍し、スイスのヴェッターホルンの西山稜初登攀などを達成した。『たった一人の山』は当時の登山の様子や浦松の山への思いを描いたエッセイとして、現在でも読み継がれているという。
 寄贈品はピッケルの他、浦松のヨーロッパ滞在中の日記やスイス山岳会の会員証、折り畳み式のカンテラなど9点。中には、大町市ゆかりの英国人登山家ウォルター・ウェストンのサインが入った英国山岳会の年次晩餐会プログラムもある。
 浦松の三女・清子さん(84)=アメリカ・ニューハンプシャー州=は幼少期から父に連れられて大町市を訪れたことがあり、遺品を整理する中で知人に勧められ、山岳博物館への寄贈を決めた。
小中学生 たすきつなぎ力走 松川 駅伝大会 県内から230人

 松川村恒例の「あづみ野松川小中学生駅伝大会」(実行委員会主催、大糸タイムス社など後援)が「スポーツの日」の13日、村すずの音ホールを発着点に開かれた。県内各地の学校やクラブチームなどから、オープン参加を含めて約230人が出場。秋の北アルプス山麓を駆け抜け、たすきをつないだ。
 大会は県内の選手同士が交流を図る機会として、小学生が21回目、中学生が41回目の開催。
 中学生男子では安曇野市の安曇野AC・Aチームが、34分1秒の大会新記録で優勝を果たした。
そば切り音頭 新作動画公開 大町の南部包括考案 介護予防体操 19団体協力 交流のスペインからも

 大町市の南部地域包括支援センターが考案した、介護予防体操「信州そば切り音頭〜骨コツ南部包括バージョン〜」の新バージョンが、動画配信サイト「YouTube(ユーチューブ)」で配信を開始し、評判を呼んでいる。
 動画制作は、コロナ禍の2020年、ステイホームにある地域の高齢者や子どもたちに、踊りで元気と笑顔の輪を広げようと始まった取り組み。今回の配信は、2年ぶりの完全新作となる。
 桜や花々の競演が美しい大町の春に合わせて撮影が行われた。南部地域包括支援センターの職員でつくる「スマイルダンサーズ」をはじめ、市民が日頃お世話になっている警察署、消防署、病院、JR、神社や寺など19団体が出演に協力。YouTubeの動画を見て交流が始まったスペインの関係者も海外から出演している。
災害時誰もが助かる#えを 大町 日赤奉仕団八坂分団が防災講習

 大町市の日赤奉仕団八坂分団(濱武裕祐分団長)は5日、防災講習を八坂支所で行った。防災士会長野県支部の大久保隆志支部長を招いた防災講演会を実施。大規模災害の多発する昨今、災害時に地域住民が自分の命を自分で守り誰もが助かる£n域コミュニティーに向けた知識や備えの重要性に理解を深めた。
 大久保さんは能登半島地震で大きな被害を受けた被災地での支援活動の様子を語った。
 ありとあらゆる想定外の災害の発生により、課題が山積したことについて述べた。濱武分団長は「今日の学びを各地区に持ち帰り、八坂地区の防災力の向上に努めたい」と話していた。
懐かし昭和歌謡 境内に響く 大町市社の仁科神明宮 東京大衆歌謡楽団が奉納演奏

 大町市社宮本の国宝仁科神明宮で5日、東京大衆歌謡楽団による奉納演奏が開催された。あいにくの雨だったが、開催を知った地域住民や、全国から訪れた楽団のファンなど境内を埋め尽くす多くの来場があり、昭和歌謡の懐かしい名曲に酔いしれた。
 楽団は古き良き昭和歌謡を歌い演奏する4兄弟のバンド。長男・島孝太郎さんのボーカル、次男・雄次郎さんのアコーディオン、三男・龍三郎さんのウッドベース、四男・圭四郎さんのバンジョーで構成。
 演奏は「東京ラブソディ」で開幕し、「人生の並木道」「いとしあの星」と、息の合った演奏を次々と繰り広げた。開催地の長野県にちなみ「勘太郎月夜唄」や「山小屋の灯」なども熱唱。聴衆は楽団が奏でる懐かしのメロディーにうっとりと聞き入り、昭和にタイムスリップしたような音楽と思い出を楽しんでいた。
遭難事故防止へ決意新た 白馬 遺族や山岳関係者 慰霊祭

 白馬村の白馬連峰遭難者慰霊祭(実行委員会主催)が12日、八方文化会館で開かれた。遺族や山岳関係者ら約60人が参列し、村内で犠牲となった458柱の冥福を祈り、遭難事故防止の決意を新たにした。
 北城八方の細野諏訪神社には昭和40年に慰霊塔が建立され、昭和4年以降に白馬連峰で亡くなった遭難者が祭られている。今年は前日までの悪天候のため、八方文化会館に会場を移し慰霊祭を開催。遺族が祭壇に玉ぐしを捧げ、故人をしのんだ。
 村内への登山客数は令和6年に4万3990人と、コロナ禍以降3年連続で増加。今年は7月までに1万1830人と前年を上回るペースで推移しており、遭難事故も多発している。
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